このような方は「無能」ではなく、「自己効力感が低い」状態になっているだけです。自己効力感が低い状態とは、「目標を達成するための能力があると自分で認識できていない」ことです。
しかし転職先が決まらないと「無能だから転職できないのでは??」と自分を疑ってしまいますよね。この記事を読むことで、自分を疑うことなく転職先の企業へご案内できる内容になっております。
結論
大手企業でも人手不足が深刻化しています。なので採用枠が拡大しており、中途採用比率を上げている企業が多い。
自分の能力が発揮できる仕事を見極め、面接官が重視する採用ポイントを抑えれば、転職できます。
では、具体的に解説していきますね。
目次
転職に無能も学歴も関係ない3つの理由
中途採用比率が上がっている
2021年4月1日から、従業員301人以上の企業は、中途採用比率の公表を義務化する制度ができました。
中途採用比率を数値で公表することにより、企業が意識するようになります。これにより、新卒一括採用を減らし、中途採用を積極的に採用することで労働力不足を解消させるのです。
実際に、中途採用を積極的に増やしている企業が多くなってきました。
参照 : リクルートワークス研究所(中途採用実態調査)より筆者が作成
今まで新卒でしか入れなかった大手企業や優良企業へ就職できるチャンスが広がってきているのです。
学歴よりも大事な要素とは
目立つような学歴や仕事の実績がない人でも転職を成功させるには、採用側が何を基準にしているかを知る必要があります。
採用する時に重視するポイントは、5つあります。(学歴で採用を判断する会社は少ない。)
参照 : マイナビ 中途採用状況調査(2023年度版)より筆者が作成
会社は、5つの項目を全て求めているのでなく、求人内容の業務によって求められる項目が変わってきます。例えば、営業職で求められる項目は「傾聴力と課題発見力」になります。
まずは、お客様が困っていることを傾聴します。その会話から課題を発見することで自社のサービスを提供し、会社の売上に繋がるからです。
このように求められる能力を想定し、過去にその能力を活かしたエピソードを面接官に語ることができれば、有能と思われる可能性が高くなるのです。
スキルなし未経験でも職場で活躍できる
経験者と未経験者の2人が転職してきた職場があった場合、2人の仕事の成果は変わらないという研究結果が出ています。
同業種であることが、転職先での適応の早さがパフォーマンスにつながっているかどうかを分析してみましたが、統計的に優位な関係は見出せませんでした。
参照 : KADOKAWA 中原 淳 小林 祐児『働くみんなの必須講義 転職学 人生が豊かになる科学的キャリア行動とは』より抜粋
経験者として活躍を期待されて入社すると、先輩のアドバイスを聞かないで自己流で仕事を進めてしまいます。反対に、未経験者は先輩のアドバイスを必死に吸収しようとするので、成果が出るということですね。
転職できないのは無能だからと勘違いする3つの原因
どんな人でも無能になる瞬間がありますし、苦手な業務もたくさんあります。なので無能だと間違った判断をしている原因を考えてみましょう。自分を無能と思い込んでしまう原因は、3つあります。
注意ポイント
- 少し仕事ができる人が、優秀なポジションを失いたくないため「無能」を作りだしている。
- 労働環境が悪いため、無能になっている(上司ガチャに失敗、サービス残業が多いなど)
- 合わない仕事を続けているため、仕事のモチベーションが全くない
無能だと思ってしまう自分から抜け出すには、自己効力感を高める必要があります。具体的な方法は、次の章で解説していきますね。
「自分は無能だから転職できない」と思う前にやるべきこと
自己効力感を高める
有能な人は、独立して社長をしています。なので、転職しようとしている人の能力の差はほとんどありません。無能だと思っているならライバルも同じことを考えています。
そこで自己効力感を高めることで、転職できる土台を作ることができます。
自己効力感とは
自己効力感とは、目標を達成するための能力があると自分で認識できていることです。自己効力感が高いと目標に向かって努力ができて、実際に達成する確率が高くなるとされています。反対に自己効力感が低いと、目標に対して努力しなくなり、面接の場で不安や恐れが現れます。
このように自己効力感は、ブレない自分を作ってくれる土台になるのです。そこで自己効力感を高めるには、2つを意識する必要があります。
自己効力感を高めるには
- 誰のために仕事をしているのか考える
- 悩みを解決させる戦略を練る
お金を稼ぐ目的だけでは、仕事が長続きしないですよね。仕事の目的がない人は、そもそも雇ってくれません。
何のために行うのかという意味に価値を置いているほど自己効力感は高く、課題とされている行動をとる率が高かったことが報告されている。
(参照文献 : 自己効力感の概念分析)
利益を上げること以外に「自分は転職先の企業でどんなことを目的に仕事をするのか」を明確にすることが大切です。自分の自信に繋がり、採用担当者を説得することができるのです。
もう一つの自己効力感を高める方法は、悩みを解決させる戦略を練ることです。
課題を達成するための方略を知っていて、それを活用できることが自己効力感を高める要素であることが明らかにされている
(参照文献 : 自己効力感の概念分析)
転職を成功させるために戦略を練ることで、自信に変わります。自信がつくと面接官に「この人材ならうちの会社で業績を上げてくれるはずだ」と思ってくれます。
戦略とは、十分な面接対策や自己分析、企業分析などです。下記の記事から戦略を立ててみましょう。
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雑用でもモチベーションを上げる
どんな仕事もミスしたり完成度が低ければ、職場から「無能扱い」されてしまいます。しかし仕事のほとんどは、やる気が上がらない雑用ばかりであることが多い。
そんな仕事でもモチベーションを上げる効果的な方法をお伝えします。
モチベーションを上げるには、「ジョブクラフティング」を利用するのが一番効果的だと言われています。
では詳しいやり方を解説していきますね。
今の仕事内容を書き出す
自分の業務内容を視覚化することで、どこに、どれだけ時間をかけているか振り返ることができます。
1日の仕事量を100%として業務内容を四角の大きさで表すことで、簡単に仕事配分を変えることができます。
書き出した内容に価値観を加える
それぞれ書き出した仕事内容に価値観を加えていきましょう。
オレンジの丸に書かれた上の部分は「嗜好(しこう)」で下は、「動機」になります。
嗜好
嗜好では、実際にその仕事で自分がどのように能力を発揮したいのかを書きます。
動機
動機では、お金以外の目的でその仕事をする理由を考えます。
お金以外の目的で仕事をする理由を見つけることができれば、自己効力感も高まることがわかっています。(この記事で詳しく解説しています。)なので自分の直感でもいいので、書き出してみましょう。
私は上司にミスを報告する業務に価値観をつけることで悩みました。しかしミスを報告しないで隠蔽した後でバレることを考えれば前向きに報告することができました。
仕事のイメージを新たな言葉で捉え直す
意味がないと思う作業を新たな言葉に捉え直すことによって、仕事にやりがいを感じることができます。
たとえ仕事が下流工程で組織の歯車にしか思えなくても、言葉を変えるだけで意識が変わります。
心理学者のアダム•グラントさんの研究では、大学の資金調達の仕事をする担当者達に「授業料が困る学生を救う」と仕事をする意味を変えました。その結果、電話のアポイント時間が142%増えて収益が400%も上がったのです。(参照 : 鈴木 祐『科学的な適職』クロスメディア・パブリッシング )
大学の資金調達の業務を「大学を運営するための資金集め」だと思って仕事をするとモチベーションが上がらないし、社内の評価も上がりませんよね。言葉には人を動かすためのパワーがあります。今の業務を新たな言葉で捉え直し、仕事への変化を確認してみてくださいね。
仕事に関わる人を見直す
書き出した仕事内容に取り組む時、キーマンになる人物は誰なのか見直します。
社内の人間関係は居心地の良い人で固められ、いつもの仲間に助言をもらってしまいます。
しかし悩みが解決できたり、一緒に成果を出せる人物は自分と距離がある場合が多い。なので書き出した仕事内容に、誰に何を助言したら自分の目標が達成できるのか考えることがポイントです。
書き出した仕事内容は完成に近づいたので、全体を見て「自分の役割は何なのか」を考えましょう。
行動プランを立てる
実際に書き出した図を実行するために行動プランを立てましょう。プランを立てることで、事前にトラブルを防ぐことができたり、行き詰まった時にすぐに助けを求めることができますよ。
プランを立てる前に注意が必要です。それは、
高すぎる目標を立てない
モチベーションの上げ方を実践しフレームワークを使用することはやることは問題ありません。しかし意識が高い仕事が多いと反対にモチベーションが下がってしまいます。
3,715人のビジネスマンを対象にした研究では、高い目標を揚げたエグゼクティブや医師、教師などは、仕事を始めたばかりの時点では幸福度が高いものの、職歴が長引くうちにストレスが激増し、怒りや不安などの感情が増す傾向がありました。
鈴木 祐『科学的な適職』クロスメディア・パブリッシングより引用
高い目標をもって走り続けるのではなく、長期的に続けられるよう自分の感情と向き合い仕事を調整することがポイントになります。
以上が、モチベーションを上げるジョブクラフティングのやり方です。仕事の環境や自分の感情が常に変化しますので、定期的にアップデートすることで継続的にモチベーションを維持することができるのです。
無能で経験や実績がなくても、未経験の仕事にチャレンジしていきましょう。
無能で転職できない状況から採用を勝ち取る方法
現職を続けながら転職活動する
自分で無能だと思ったり、職場の人から無能だと言われても、働きながら次の転職先を探してください。なぜなら、自分に合う仕事を見つけるのは時間がかかるからです。
転職活動が長引いてしまうと、簡単に内定が出た企業に入社してしまうからです。
転職活動が長く続くほど、燃え尽き症候群に陥ったり、うまくいかなさに嫌気がさして、それほど魅力を感じていない企業から出された内定に飛びついたりといったことになりがちです。
参照 : KADOKAWA 中原 淳 小林 祐児『働くみんなの必須講義 転職学 人生が豊かになる科学的キャリア行動とは』より抜粋
さらに、働きながら転職活動するメリットは3つあります
- 収入が安定する
- ブランクがない
- 選択肢が増える
収入が安定する
不採用になっても収入が安定している状態なら、次の求人を待つことができます。
しかし、貯金を食いつぶしている状態で転職活動をしていると判断を間違えてしまいます。内定をもらった求人を見極める余裕がないので、ブラック企業でも入社してしまう可能性があるのです。
ブランクがない
在籍中に転職活動をしている人は、計画的に行動できる人と見られます。
しかし半年以上のブランクがあると、面接官に疑問に思われます。資格取得や親の介護など、ブランクが長い理由を面接の時に説明する必要があるのです。
選択肢が増える
選択肢が増えることによって、今の職場にしがみついている上司や同僚を見て「自分は、いつでも転職できるんだ」と思うことができます。
そして書類選考や面接に受かると、社会に受け入れられているという自信がついてきます。強気な態度をしたいからではなく、理不尽な仕事を振られた時や、無駄な飲み会に誘われた時に断ることができるのです。
企業分析と自己分析は必ずやる
自分の性格と応募先の企業との相性が悪かったら、上場企業に転職できても不幸が待っています。そこで、企業の価値観と相性を調べる方法は5つの基準から分析することができます。
参照 : 日経ビジネス(企業と人の相性を見極める5軸)より筆者が作成
企業分析は過去のデータを調べたり、競合他社を研究することは志望理由を説明するときに必要です。その前に、社風が合っていなければ、短期離職を繰り返してしまうのです。
自分のスタイルを確認する方法は、自己分析が必要になります。しかし自分で自己分析をしてしまうと、正確に自分を診断することができず、合わない会社でずっと働き続ける可能性があります。
自分で自己分析すると、損をします。
当たり前にできていることが自分の強みである場合が多いので「本物の強み」に気づかないのです。それは次の仕事を探すときに、転職が長引いてしまいます。なぜなら、
自分で自己分析をするデメリット
強みに確信が持てないので、面接官に「強み」を伝える切ることができない
このように転職活動が長引いてしまうと、十分な強みがあるのに転職を諦めてしまったり、簡単に内定がでたブラック企業へ入社してしまう可能性があるのです。
転職活動が長く続くほど、燃え尽き症候群に陥ったり、うまくいかなさに嫌気がさして、それほど魅力を感じていない企業から出された内定に飛びついたりといったことになりがちです。
参照 : KADOKAWA 中原 淳 小林 祐児『働くみんなの必須講義 転職学 人生が豊かになる科学的キャリア行動とは』より抜粋
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自己分析するメリットは、転職する時だけでなく今後の人生に大きなメリットになります。世界的に有名な「insight」の著者ターシャ・ユーリックはこのように言っています。
自己認識に欠けた社員の方が自身のキャリアに満足しないだけでなく、
生き詰まったとき、自分がこの先どうしていこうか見極めるのに苦労する傾向がある。
引用元 : 英治出版 著者ターシャ・ユーリック『insight』2019年7月3日 18ページから引用
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\ 本物の強みを知り、確固たる自信を /
避けていた仕事も受けてみる
今の仕事の探し方を続けても転職が難しい方は、今まで避けていた自分に合わないと思う仕事をから探すことも視野に入れましょう。
今まで聞いたことがないアドバイスかもしれませんが、根拠があります。
ストア派によれば「自分の内面でしっくりこないこと」を実行に移すことには多次元で相互に連携する優れた効果があるという。
スヴェン・ブリンクマン(2022)Evolving『地に足をつけて生きろ! - 加速文化の重圧に対抗する7つの方法』より抜粋
苦痛の中に喜びがあると実感したことがあると思います。実際に私も社会人の14年間で、何度も経験してきました。
- やりたくないプレゼンがうまくいった時
- 暑くて重労働な作業が終わった後のビールが最高
- いつも批判する怖い上司に褒められた時
自分が避けている仕事にも、気分がいい時がある仕事があります。食わず嫌いで食べなかった食材でも、上手に調理すれば美味しくなります。視野を広げて、仕事を探すことでやりたい仕事が見つかる可能性が高くなるのです。
就職と転職の失敗は、およそ7割が「視野狭窄」によって引き起こされる --- 省略 ---
たいていの人は「この仕事は良さそうだ」と思った直後から思考が狭まり、それ以外の選択肢に目を向けられなくなってしまうのです。
鈴木 祐『科学的な適職』クロスメディア・パブリッシング 2019年より引用
視野を広げるには、自分の得意分野から仕事を探すのではなく「仕事満足度が高くなるような職場」を選ぶことがポイントになります。
転職サポートをフル活用する
転職サポートを活用することで、
転職エージェントを利用すべき人
- キャリアに迷っている方
- 履歴書、職務経歴書、面接に自信がない方
- 仕事が忙しくて、企業分析する時間がない方
このような人は、絶対転職エージェントを利用すべきです。実際に私が転職エージェントを利用して良かった点は、面接対策をしてくれることや、企業情報をたくさん持っていることです。
内定まで全て無料でサポートしてくれるので、心強い相談相手になってくれます。詳しくは下記の記事を参考にしてみてくださいね。
無能にさせる職場と幸福になる仕事
無能にさせる職場の特徴
組織行動学者のジェフリー・フェファー氏のメタ分析によると従業員に悪影響がある労働条件は、大きく分けて「時間の乱れ」と「職務の乱れ」の2つあると言われています。
まず「時間の乱れ」が多い職場の特徴は3つあります。
個人の価値観にもよりますが、この研究結果からは往復3時間の通勤で収入が高い人と、家の近くの工場で働く人の幸福度は変わらないのです。どちらの働き方にしても特に危険な働き方は、ワークライフバランスを崩すことです。
メタ分析によれば、「時間の乱れ」のなかでもっとも人体への害が大きかったのは「ワークライフバランスの崩壊」でした。プライベートに仕事を持ち込む働き方のことで、その悪影響は受動喫煙のダメージをはるかに上回ります。
鈴木 祐『科学的な適職』クロスメディア・パブリッシング 2019年より引用
休日に仕事の電話がきたり、休日出勤が当たり前の会社は、長期的に仕事を続けることが難しくなるのです。
次に、職務の乱れている環境は4つあります。
このような項目に複数当てはまる場合、転職した方がいいでしょう。また転職する時も、この項目がクリアーになっているのかを、転職先の企業に聞いてみることが大切です。
幸福になる仕事の基準
仕事をされている中で、幸福度が低くなる業務内容がどれだけあるか確認してください。幸福度を決める仕事内容は、7つの基準で評価することができます。
鈴木 祐『科学的な適職』クロスメディア・パブリッシング 2019年より筆者が作成
これらの要素を満たさない仕事は、どれだけ子供の頃から夢に見た職業だろうが、誰からもあこがれる職業だろうが、最終的な幸福度は上がりません。
鈴木 祐『科学的な適職』クロスメディア・パブリッシング 2019年より引用
これらの7つの基準を満たさない業務が多い場合、転職を前向きに検討した方がいいでしょう。次の仕事を探す基準にもなりますので、参考にしてくださいね。
【まとめ】転職できないの無能だからではない
優秀な人は、社長になっています。
なので会社で働いている人の能力は、大して差はないのです。転職できない理由を「無能」と一言で自分を評価するのではなく、なぜ転職できないのか分析することがポイントです。
ポイント
- 自己分析と企業分析をする
- 自分の性格に合う仕事を探す
- 幸福になる基準から仕事を探す
今回ご紹介した方法で転職活動をすれば、自分に合う企業が見つかります。みなさんの今後のご活躍を心より応援しております。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。