生活残業とは、生活のために意図的に残業することです。
新人の頃に必死で覚えた仕事も、慣れてしまうと簡単に早くできますよね。なので終わる時間を調整しながら、稼ぎたい金額まで残業することができてしまうのです。
しかし、生活残業している人が悪いとは限りません。そもそも職場の環境が生活残業の温床(おんしょう)となっているケースが多いのです。
結論から言いますと生活残業を辞めさせるには、簡単に基本給を上げるのではなく、従業員と話し合って主体的になれる制度を導入することをオススメします。
この記事では、
記事のポイント
- 生活残業をしている職場の問題点
- 生活残業をする人の特徴
- 生活残業を主体的に辞めさせる解決案
この内容を深堀していきます。
主体性を発揮して利益が出て、基本給が高くなる組織を目指していきましょう!!
目次
生活残業とは
残業代を稼いで生活費の足しにする目的で、自ら進んでする残業。
2020年4月から厚生労働省より月45時間、年間360時間を超える残業を原則禁止(特別な理由がない限り)という改革をされました。
この政策により残業は、減少傾向にあります。
しかし残業が減ったので稼げなくなり、収入が下がる人も増えました。基本給が上がらなければ、生活残業をしたい人は減らないので根本的に生活残業はなくならないのです。
無闇に残業できなくなったから、手取り減るな😰😰😰
— ジルカス@今年か来年に行政書士を受験します。&転職よりも独立開業目指します。&ダンベルはじめました。 (@jircas) April 21, 2021
下の表はエンジャパンが会社員に、「残業時間が減った時の問題点」をアンケートした結果です。
残業を減らしただけでは、給料が下がるだけです。なので生活残業するために、意図的に仕事を遅くして緊急で残業をしないといけない状況を演出するようになります。
働く人と、雇う会社側もメリットあるような解決策を深堀していきましょう。
生活残業の実体
現在の日本は終身雇用が崩壊し、定期昇給から業績に応じた成果主義の賃金システムに移行しています。年齢と給料が比例して上がっていくはずだったが、稼ぐために自ら生活残業をするようになりました。
さらに、生活残業している人と一緒に仕事をしていると、真面目に働くこと自体バカバカしくなります。
ゆっくり作業しながら、楽して稼げてしまうのです。しかも真面目に働いている人と給料は同じなので、「私も生活残業しようかな」と思うのは当然でしょう。
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生活残業する従業員の問題点
副業や転職がめんどくさい
副業はしない。
転職するリスクも取りたくない。
だから、今の職場で稼ぎたい人がたくさんいます。会社にそのまま残れば通常より割増で稼げるので、わざわざ副業で場所を変える必要性がありませんよね。
なので残業削減の方向ではありますが、まだまだ生活残業はなくならないのが現状です。
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お金が必要な状況
- 残業代を含めた金額で、住宅ローンを組んでしまった
- シングルマザーで、子供の教育費が必要
- 自己投資、趣味、娯楽に使用
毎月の支払いに余裕がなく、残業代を当てにする生活になっている人です。イレギュラーな仕事をお願いする時、時間内に終わらせようとしないで残業に持ち込む可能性があります。
優しい上司は黙認するかもしれませんが、周囲のモチベーションが下がることを踏まえて判断しましょう。
生活残業する仲間がいる
1人で遅く仕事をしていたら社内で目立ってバレる可能性があります。でも社内で仲間がいると、同じペースで仕事をしてくれて、残業も一緒にできるので、簡単に稼げてしまうのです。
会社の利益より、自分の残業代を優先させてしまう人が多くなると、会社も対策しないと残業仲間はどんどん増えていくでしょう。
生活残業が多発している会社はどうなる??
体力がない会社は経営が傾く
生活残業する人は間違いなく生産性が低いわけで、こういう人を放置していれば会社の生産性はいつまでたっても改善するわけがない。そもそも生産性低い人に好き勝手に生活残業させているということは、会社の管理が行き届いておらず、まともなマネジメントができていないことの表れでもある。
— 米村歩@日本一残業の少ないIT企業社長 (@yonemura2006) January 24, 2021
生活残業に気づいていないのであれば、製品やサービスにかかる工程と作業時間を把握していません。生産管理ができていなければ、
見積もりの相場も把握してい場合が多い。
なので相手の金額が高くても見積もりを通して、取れる利益を取りこぼしてしまいます。
さらに備品や在庫管理もできていないので、過剰発注や品薄で利益の取りこぼしを引き起こします。改善されなければ、転職を考えた方がいいでしょう。
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生活残業を解決する7つの戦略
簡単に基本給を上げれば従業員は満足しますが、会社側はデメリットの方が多い。一旦上げた基本給は従業員の同意がないと下げにくいからです。
なので、お互いにメリットがある解決策を深堀していきましょう。
固定(みなし)残業代の導入
会社側は、基本給を上げなくても固定残業を導入することで、生産性が一定になるメリットがあります。
もしも従業員と残業代のトラブルで、支払っていない残業代を請求されても、「毎月固定で残業代を払っている」と言えるのでトラブルが少ないこともメリットでしょう。(決められた労働時間を超えていないことが条件)
トラブルにならない為に、みなし残業を超過した分に残業は必ず、別で残業代を支払うことを忘れずに。
従業員は、閑散期でも残業代がもらえますが、繁忙期に残業しても固定(みなし)残業に含まれてしまうのでモチベーションが下がりやすい。
みなし残業だからと言って残業時間の計算をしない人が多いです。未払いの残業代は請求できますので、しっかり計算しておきましょう。
注意ポイント
- 従業員の同意なしで勝手に変更した場合や、何時間分の残業を固定するのか記載がない場合、労基(労働基準監督署)に突っ込まれるので注意が必要です。
- 残業が当たり前の文化が会社に残っている場合が多いので、残業が美徳とする会社は成果より、労働時間で評価されてしまうので、会社選びには周囲が必要です。
副業を解禁にする
最近では、副業を解禁する動きが活発になってきた。
- IHIは、約8,000人の正社員を、副業解禁。
- 第一生命は、約1万5,000人の職員に、副業解禁
- カシオ計算機は、約3,000人の全正社員に、副業解禁
- ヤフーは、外部の副業希望者(ギグパートナー)を採用している
参照 : SankeiBiz (経験や人脈を自社に還元、「副業」容認の企業広がる)
副業解禁することで従業員の収入が増えるだけでなく、企業側にもメリットがあります。
副業のメリット
- 副業で得たスキルが会社でも活かせる
- 人脈で事業拡大を狙える
- 従業員が主体的に行動できるようになる
副業に専念しすぎて健康に悪影響が出ることも考えられますが、従業員を定年まで働ける保証がない現状だと副業解禁する動きは止まらないでしょう。
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同じ役職の人と評価に差をつける
仕事の結果が良くて、結果を出していない人と給料が同じだと不公平を感じるのは当然です。
不公平差を感じる時
- 同じ仕事をしているのに、売上に貢献している結果が違う
- 忙しい部署と、のんびりしている部署
- 担当件数、ノルマが多い部署
従業員のモチベーションと生産性を上げるには、いい結果を出している人には評価に差をつけるべきです。そうでなければ、仕事ができる人は転職を考えるか、仕事をサボります。
注意ポイント
結果が出ない人を放置するのではなく、原因を一緒に解決する教育も大切です。
上司の許可がない残業は、ペナルティにする
就業規則に「残業する場合、上司の許可が必要」と記載されていれば、無断で残業ている従業員に対してペナルティを勧告することができます。
ベテランの従業員には言いづらいと思いますので、軽い注意程度にしておきましょう。
変形労働時間制の導入
繁忙期と閑散期の時期がわかっているのであれば、繁忙期で残業代が1週間、1ヶ月、1年単位で変形労働時間制の導入を検討してみましょう。
例 : 繁忙期の1ヶ月間を1日10時間で、閑散期の1ヶ月は1日6時間に設定する。
忙しい時は長時間働かせて、暇な時は早く帰ってもらうことができます。しかし、忙しい時期の10時間労働しても残業代がでないので、閑散期のメリットを伝えて従業員と相談したほうがいいでしょう。
注意ポイント
1年の変形労働時間制を採用する場合は、労働基準監督署へ届けが必要です。
詳しく相談したい方は、無料弁護士相談所がありますので専門家に相談してみましょう。
生活残業をしている人に仕事を振る
他に稼げる手段を選ばないで、会社の残業の方が楽だから残業をします。
なので、
気が進まない仕事をさせることで、定時で帰りたくなります。
注意ポイント
嫌がらせにならない程度に、仕事を振りましょう。
熱意を持って残業削減を告知する
少し現場にくるだけでは、仕事の管理をすることはできませんよね。理解したつもりで指導すると、「現場のこと何もわかってないのに、残業なくせとか何言ってるの!?」と反発が起きるだけです。
現場は、従業員(人)や機械(モノ)や資金(カネ)を循環させて、付加価値を生み出しています。みんな違う仕事をしているので、全員に向かって「残業を少なくして、生産をあげてくれ」と言っても無駄です。
なので社長が現場にきて、従業員に対する健康面での気遣いと、会社のビジョンを共有することで初めて従業員は主体性を発揮します。
その結果、生産性が上がり残業しなくても時間内に成果を出すことができるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか??
冒頭に説明したように、生活残業する人だけに問題があるのではなく、会社側も生活残業ができてしまう環境にも問題があります。
生活残業している人は、自分の市場価値が下がり実績がないため転職が厳しい状況に追い込まれます。企業側も生活残業を黙認してたり、気づかないでいると利益は減り続け衰退していきます。
なので、どうやって会社の利益が上がるのか議論して、利益がでたら従業員にどれだけ還元するのか話し合うことが大切です。生産性を上げて残業しなくても基本給が上がっていく仕組みを作っていきましょう!!
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