辛い職場でも我慢して会社に残っていれば今頃、出世してたのに。もう人生つんでしまった。
このように思ってしまうのは、終身雇用システムで「転職の給料を高くしない」ことが原因です。なので転職回数が多くなると今の年収を維持して転職することが難しいからです。
現在は「終身雇用の崩壊」と「人手不足」で転職回数が多くても採用されるケースが多くなっています。そしてこの記事で戦略的な転職方法を学べば、乗り越えることができます。
この記事を書いた人
筆者は、転職4回しており現在も転職活動をし企業から内定をもらった実体験があります。その実体験と書籍から学んだことを、わかりやすく解説した記事になっています。
転職回数が多いことが問題になる理由
年収が上がらない
冒頭でもお伝えした通り、日本は転職しても給料が上がらない企業が多い。「転職後の年収」を世界と比較したデータを見てみましょう。
出典: パーソナル総合研究所(APAC就業実態・成長意識調査2019)
半数以上の人は転職で年収を上げことができていないのが現状です。転職を繰り返してしまうと、次の転職先に活かせるスキルが身についていないと面接官に判断されて、年収を下げても転職をしてしまう。
しかし私たち転職者は、雇用システムや人事制度を変えることはできませんよね。そこで転職者がキャリアアップするための方法を後ほど解説していますのでチェックしてくださいね。
転職先の選択肢が狭くなる
リクナビNEXTさんのアンケートによりますと、面接官は転職回数が3回目から気になるようです。
参照: リクナビNEXT転職回数が多いと不利? より筆者が作成
転職回数が多いと、企業の採用側に「うちに入社しても、また辞めるのでは??」とマイナスイメージで受け取られることが多い。入社したい企業に応募しても書類選考が通らないことが多いのです。
ポイント
書類選考が通ってしまえば、採用基準を満たしていることになります。面接で職理由を聞かれた時、しっかり説明できれば内定が取れます。
「知っている」「触れたことがある」だけでも未経験な方よりプラスになる職種もたくさんあります。1ヶ月でも職務を経験すればプロとして仕事をしたことになるのでしっかり面接官にアピールすることがポイントです。
職場で活躍できない
職場の複数人から即戦力として見られているのでプレッシャーも大きい。転職してきた人が職場で活躍できない理由は3つあります。
- 新しい人間関係に馴染めない
- 職場の雰囲気と合わない
- 仕事についていけない
転職者は職場の中で少数派でアウェイ戦です。そして転職者は「即戦力」というレッテルを貼られた状態なので、仕事ができることを前提にされることが多いのです。
なので転職してから、職場で活躍する方法やいち早く職場に馴染む方法を学ぶことで短期離職を防ぐことができます。詳しくは、下記の記事を参考にして見てくださいね。
関連記事
転職回数が多いと人生終わりではない理由
仕事の選択を間違えて当たり前
人類が誕生して20万年前と、サラリーマンという言葉が生まれ職業を選ぶ時代になった1920年の100年前では2,000倍歴史が違います。人類のほとんど選択することがなかった私たちの本能には「仕事を選ぶ」という遺伝子を持っていません。
しかし現代に生まれた私たちは、職業の選択肢が多く、脳が追いついてない状態です。
- 急速な技術の進歩
- グローバル化
- 終身雇用の崩壊
仕事を選ぶという人類史上初めての出来事なので、職業の選択を間違えて当たり前なのです。
日本の転職回数は他の国と変わらない
日本はまだ年功序列で終身雇用の会社が多いので、転職回数が少ないと思っていませんか。海外と比較すると、日本は転職回数が少ないとも言えません。
10年以上同じ会社で働き続けている割合は、他の国と比べても変わらないのです。転職回数が多くて人生終わりなら、他の国でも同じことが言えるのです。
未経験の仕事でも活躍できる
最初は仕事を覚えることに苦労していますよね。転職経験が多いということは、初めての仕事を何回も経験しているということです。
仕事の覚え方や先輩に教えてもらうコツがわかっているので、次の仕事が未経験でも成果を出しやすいのです。
仕事の相性にもよりますが、経験者と未経験者の2人が転職してきた職場があった場合、2人の仕事の成果は変わらないという研究結果が出ています。
同業種であることが、転職先での適応の早さがパフォーマンスにつながっているかどうかを分析してみましたが、統計的に優位な関係は見出せませんでした。
参照 : KADOKAWA 中原 淳 小林 祐児『働くみんなの必須講義 転職学 人生が豊かになる科学的キャリア行動とは』より抜粋
経験者として活躍を期待されて入社すると、先輩のアドバイスを聞かないで自己流で仕事を進めてしまいます。反対に、未経験者は先輩のアドバイスを必死に吸収しようとするので、成果が出るということですね。
転職回数が多くても受け入れてくれる会社は絶対ありますので、未経験の仕事でも積極的にチャレンジしていきましょう。
転職経験がある人は適応力がある
転職が多い人は、転勤を含めると多くの職場を経験しているはずですよね。「転職=忍耐力がない」と思われてきましたが、転職エージェントに聞いてみたところ「転職=適応力がある」と言っていました。
実際に私も4回転職をしましたが、どこに行っても職場に馴染むことができると思っています。転職回数が多いことをマイナスと捉えるのではなく、何度も会社に入社できているので適応力があるとプラスに考えましょう。
転職回数を気にしない大手企業が増えてきた
少子化で労働力不足が深刻化している日本は、中途採用でもしなければ企業を存続できない状況になっています。
実際にITインフラの大手企業「GMOインターネット」や、大手ハンバーガーチェーン店の「マクドナルド」は転職回数が多い人を以下のように考えています。
「GMOインターネット株式会社」
3カ月未満や半年で職を変えた場合は特別な理由があると思います。面接でその辺りを本音でお話しいただき確認します。実際、職務に必要なスキルが身に付いており、退職理由や今後のキャリアプラン、ライフプランを語れることに加え、応募者の考え方と会社や部署の考え方がマッチしていたことが理由で採用に至った事例があります。
「日本マクドナルド株式会社」
20代は3回、30代は3〜4回で「転職回数が多い」という印象を持ちます。しかし、書類選考の段階では、先入観を極力抱かないようにしています。最も確認したい大切な点は、転職に臨む姿勢。「なぜ転職したのか?」という理由はもちろん、ブランク期間があった人には、「その間は何をしていたか」について、詳しく確認するようにしています。
大手企業で短期で離職してしまった人を採用した事例があります。大手でも中途採用をしているので、人手不足の中小企業はもっと積極的に中途採用を募集している傾向が高まっているのです。
私も求人票を毎日チェックしていますが、求人を出して応募がない企業が年収を上げてもう一度求人を出すケースが多くなっています。
転職回数が多くても転職を成功させる方法
自己分析から企業との相性を見極める
転職を繰り返してしまう原因の一つに、企業との相性が合わないことがあります。そこで仕事内容と自分の相性を確かめる方法は、5つの軸で考えることができます。
参照 : 日経ビジネス(企業と人の相性を見極める5軸)より筆者が作成
この5つの軸を参考にすることで、自分のスタイルと会社から求められることがマッチする可能性が高い。そして入社後のギャップが少なくなるので、短期離職を防ぐことができるのです。
自分で自己分析をしてしまうと、転職が長引いてしまいます。なぜなら、
自分で自己分析をするデメリット
- 自分では気づかない強みが、埋もれてしまう
- 強みに確信が持てないので、面接官に「強み」を伝える切ることができない
このように転職活動が長引いてしまうと、十分な強みがあるのに転職を諦めてしまったり、簡単に内定がでたブラック企業へ入社してしまう可能性があるのです。
転職活動が長く続くほど、燃え尽き症候群に陥ったり、うまくいかなさに嫌気がさして、それほど魅力を感じていない企業から出された内定に飛びついたりといったことになりがちです。
参照 : KADOKAWA 中原 淳 小林 祐児『働くみんなの必須講義 転職学 人生が豊かになる科学的キャリア行動とは』より抜粋
そこで、リクナビNEXTグッドポイント診断をオススメします。診断内容は、18種類ある性格のベースからあなたの強みを5つ診断します。
診断は293個の質問に答え、診断結果は全部で8568通り。他社より質問数が多く本格的な診断なので、自分でも気づかないあなたの個性を知ることができるのです。
自己分析するメリットは、転職する時だけでなく今後の人生に大きなメリットになります。世界的に有名な「insight」の著者ターシャ・ユーリックはこのように言っています。
自己認識に欠けた社員の方が自身のキャリアに満足しないだけでなく、
生き詰まったとき、自分がこの先どうしていこうか見極めるのに苦労する傾向がある。
引用元 : 英治出版 著者ターシャ・ユーリック『insight』2019年7月3日 18ページから引用
転職は、自分を見つめ直す絶好の機会でもあります。無料で本格的な性格診断ができるグッドポイント診断で、自分の本当の強みを見つけてみましょう。
リクナビNEXT 【グッドポイント診断の基本情報】 |
|
診断を受ける流れ | メールアドレス登録 ↓ プロフィール入力 ↓ 診断開始 |
診断がある場所 | リクナビNEXT登録後 ↓ 「 転職ノウハウ 」 |
診断料 | 完全無料 |
質問数 | 293個(精度が高い) |
所要時間 | 30分 |
解答方式 | 4択の選択方式 |
診断結果 | 8568通り(結果のコメントは、応募書類や面接で利用できる) |
注意点 | 途中保存ができませんので、診断できる環境を整えてください。 |
この診断を運営している会社リクナビNEXTは、転職者の7人に1人(登録者数1,000万人以上)が利用している大手転職サイトです。
\ 本物の強みを知り、確固たる自信を /
視野を広げて転職先の候補を見つける
就職と転職の失敗は、およそ7割が「視野狭窄」によって引き起こされる --- 省略 ---
たいていの人は「この仕事は良さそうだ」と思った直後から思考が狭まり、それ以外の選択肢に目を向けられなくなってしまうのです。
鈴木 祐『科学的な適職』クロスメディア・パブリッシング 2019年より引用
年収が上がれば満足度は一時的に上がるかもしれませんが、年収だけで転職先を決めるのは危険です。
視野を広げるには、自分の得意分野から仕事を探すのではなく「仕事満足度が高くなるような職場」を選ぶことがポイントになります。
やりたかった職業や、大手企業に就職しても、幸福になれない職場だったら短期で離職してしまうからです。では仕事の幸福度を決める要素の7つを紹介します。
参照 : 鈴木 祐『科学的な適職』クロスメディア・パブリッシング 2019年より筆者が作成
これらの要素を満たさない仕事は、どれだけ子供の頃から夢に見た職業だろうが、誰からもあこがれる職業だろうが、最終的な幸福度は上がりません。
鈴木 祐『科学的な適職』クロスメディア・パブリッシング 2019年より引用
給料は上がらなくても、職場に3人以上の仲間がいるだけで、年収が上がった時と同等な効果を得るという研究結果もあります。視野を広げた転職活動を詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にして見て下さいね。
転職回数が多い人の仕事選び
ジョブホッパー(転職を繰り返す人)にならないためにストーリーを作る必要があります。ストーリーがなければ、転職面接で突破することができないからです。
「あなた自身が仕事人生を振り返り、過去に何をしていて、いま何を思い、そして未来に何をしていきたいのか」という一連のストーリーに一貫性と迫真性があればあるほど、転職はうまくいきます。
参照 : KADOKAWA 中原 淳 小林 祐児『働くみんなの必須講義 転職学 人生が豊かになる科学的キャリア行動とは』より抜粋
ではストーリーをどのように作ればいいのでしょうか。
仕事のストーリー
- 過去(今までの仕事内容)
- 現在(転職する理由)
- 未来(転職先でやってみたいこと)
このストーリーを自分で作ることができれば、自分の経験が無駄ではなかったと思えるはずです。例えば、営業経験と工場勤務を経験している人は、次のような経験を活かすことができます。
仕事のストーリー
技術営業として製品のことを詳しく説明することができますし、営業以外でも資材担当として外部の人と打ち合わせができる
経験を組み合わせることで、視野が広がります。
何となく入社した仕事でも自分で決断した理由があるはずです。何から始めていいのかわからないという方は、転職エージェントでも相談可能です。
そして、転職エージェントのスカウトメールが届く量で、自分が経験したスキルの市場価値をチェックすることができます。転職が多い人は定期的に、自分の市場価値を確認することをおすすめします。
転職回数を気にしない業界に応募する
中小企業
転職回数を気にしない大手企業が増えてきたとはいえ、大手企業は書類選考すら通らないことがほとんどです。私も転職4回で大手企業の書類選考通過率は、100社受けて1社通過するぐらいでした。
そこで中小企業の方が、転職回数を気にしないので積極的に応募しましょう。
大企業と比べると給料や雇用の安定性では劣るでしょう。しかし中小企業で働くことで、メリットになることもあります。
中小企業のメリット
- 組織の派閥が少ない
- 仕事の裁量権がある
- 意思決定や昇進のスピードが早い
- 転勤が少ない
アメリカの心理学者ギャラップの調査によると、大企業より小さい組織の方が仕事に集中できる確率が30%も高いと言われています。下記の記事から転職エージェントに無料で登録して、中小企業の求人をチェックしてみましょう。
ベンチャー企業
新卒の学生で大企業よりベンチャー企業へ就職したい人の割合が約36%です。ベンチャー企業は注目されていますが、ベンチャー企業に就職しても企業が存続できなかったら怖いですよね。そこでベンチャー企業の中でも、伸びている企業の情報を得る必要があります。
その検索の仕方では、売上を伸ばしたいベンチャー企業が広告を出しているので伸びるベンチャー企業なのかは判断が難しい。
Googleで「ベンチャーキャピタル一覧」と検索してください。
ベンチャーキャピタル(VC)とは、未上場の企業に出資して上場した後に株を売却することで利益を得る企業です。VCが出資する時は、ベンチャー企業を厳選しているので生き残る可能性が高い企業が多い。
ベンチャーキャピタルのホームページの「ポートフォリオ」から厳選された出資先がベンチャー企業が見つかります。
現在100万人が利用しているサービスを運営している企業ではなく、これから100万人が利用するサービスを作る企業を見つけましょう。
私が面接した企業では転職回数を気にするどころか、これまでの転職理由を聞いてくることもありませんでした。誰でも採用するブラック企業も転職理由を聞いてこないので注意が必要です。
ブラック企業が多い転職しない業界を知りたい方は、下記の記事を参考にして見てくださいね。
転職が多い人のための面接突破法
面接官は「目的を持って転職できているか」「転職理由は納得できる内容なのか」この2点をチェックしています。私も転職面接は何回も経験がありますが、転職理由を全て聞かれる企業が多い。
全ての経歴に前向きな転職理由を考え、応募する企業が自分にとって最後の就職先として気持ちを伝えることがポイントになります。
具体的な面接対策は、以下の記事を参考にしてみてくださいね。
関連記事
転職回数が多い人が転職を繰り返さないために
仕事のモチベーションが低下した時の対処法
転職してもすぐ仕事に飽きてしまわないか心配ですよね。仕事を覚える時はワクワクしますが、どんな仕事も慣れてしまえば飽きるのが普通です。そこで仕事に飽きて辞めてしまう前に「飽きてしまっている業務」について考えてみましょう。
これは「ジョブクラフティング」という技法で考え方を変えて仕事のモチベーションを上げる方法です。
現時点でもっとも効果が認められているのが「ジョブクラフティング」という技法です。2000年代の初めから研究が進んだ分野で、イエール大学の検証試験などにより、従業員のモチベーションを高める効果が大きいことがわかってきました。
鈴木 祐『科学的な適職』クロスメディア・パブリッシングより引用
ジョブクラフティングを実践すれば、仕事のモチベーションを上げてくれて成果を出すことができます。
具体的な方法は下記の記事を参考にして見てくださいね。
まとめ
転職回数が多くても就職はできますし、未経験でも職場で活躍できることを解説しました。自己分析や企業分析をしっかり行い、妥協しない転職先を見つけること、そして転職したらモチベーションの維持や職場に馴染む方法を学び、もう転職を繰り返さないことが大切です。
私も仕事選びを間違えて、転職を繰り返してきました。転職が多いということは、自分に合った働き方をしたいという思いに正直な人です。仕事を選ぶことは難しいですが、諦めないで自分に合う仕事を見つけてください。心より、応援しております。
最後まで読んでいただきありがとうございました。