本来、会社はチームの生産性を上げてより良い職場環境を目指していくのに、パワハラにより労力を使い過ぎています。
若いから、仕事ができないから、何言っても大丈夫だと過信している上司が許せません。しかし、勇気を出して会社にパワハラの事実を伝えても、対応してくれない会社の方が多いのが現状です。
そこで、効果的なパワハラの仕返し方法をお伝えします。
それは、
パワハら上司に有効な仕返し方法
- パワハラされた瞬間に、いつもと違う反応をする
- 自分の代わりがいない状態で退職する
- パワハラされている仲間を集めて結束し、内部告発する
- 悪質なパワハラの証拠を集めて、メディアに取り上げてもらう
- 医師の診断書をもらって、弁護士に相談する(勝訴した裁判例あり)
私は10年前にパワハラをされたことが、今でも記憶に残っており、何もできなった自分にとても後悔しています。
もう10年前のパワハラを、
仕返しする方法がないからです。
しかし、今パワハラにあっている方は、後悔しない仕返しができます。
今、受けているパワハラが、一番大切な人に牙が向かないよう、一緒に仕返しの方法を考えていきましょう!!
目次
パワハラ上司の仕返しの前に、現状とパワハラの定義を確認
パワハラの現状(パワハラの事実を伝えても、55%意味がない)
ストレスの原因3位がパワハラ・セクハラの対人関係が原因でした。
参照 : 厚生労働省「令和2年労働労働安全衛生調査」より筆者が作成
そして、毎年「いじめ・嫌がらせ」について総合労働相談コーナーへ相談する人が上昇しており、過去最多を更新しました。
相談件数が増えていますが、相談した後の会社の対応は、どうでしょうか。
厚生労働省が令和2年に、従業員30名以上の全国の企業に実施したアンケート結果です。
参照 : 厚生労働省(令和2年 職場のハラスメント関する実態調査)
パワハラやセクハラの被害者なのに、会社から不利益な扱いをされた人が、こんなに多いのが驚きですね。
特に何もしなかった会社と合わせると、55.2%は全く効果がなかったと言えます。
さらに、事実確認をしただけで実際に対策してくれない会社も含めると6割以上でしょう。
このことから、パワハラの事実を会社に伝えるだけで、パワハラがなくなることは期待できません。
パワハラの定義とは
パワハラの定義とは何んでしょうか。
それは、以下の3つをすべて満たす条件がパワハラです。
1 , 優越的な関係を背景とした言動
2 , 業務上必要かつ相当な範囲を越えた言動
3 , 労働者の就業環境が害される
[ 参照 : 厚生労働省HP ]
「1」 と「 3」が該当しても、業務に必要な指導な場合はパワハラにならないのです。
何度もミスをしてしまう部下に少しキツく注意するぐらいでは、パワハラになりません。なので、パワハラ上司の行動、言動をチェックしましょう。
優越的な立場とは
- 上司と部下
- お客さんと、取引先
- 特定の分野に詳しい上司と無知な部下
この優越な立場を利用して、以下の6種類の言動や行動ををしているかチェックしましょう。
- 身体的攻撃
- 精神的攻撃
- 人間関係からの切り離し
- 過大な要求
- 過少な要求
- 個の侵害
パワハラの種類については、下記の記事で詳しく解説してあります。
自分がパワハラを経験したり、セクハラされた人の話しでは、以下の通りです。
パワハラの事例
- 飲み会の席で、宴会芸を強要
- 休みの日に、車の送迎をさせられた
- セクハラ「今夜、ワンチャンある??」
- 行き過ぎた指導「やらなきゃ殺すぞ」
- 新人に無理なノルマ「来月は、2倍売ってこいよ」
- 専門用語でマウントを取る「そんなことも、知らないのかよ」
- 人格を否定する言葉「こいつ障害だから、言っても無駄だよ」
- 必要以上にプライベートに関わってくる「交友関係、休日の過ごし方」
上記の言動によって、労働者の就業環境が害された場合はパワハラです。
- 仕事が手につけられない状況
- 会社に行くのが怖くなった
- ミスや怪我が多くなった
仕返しを考えるぐらいに仕事に支障が出ているので、ほとんどパワハラだと思います。
では、仕返しの仕方をお伝えします。
パワハラ上司へ仕返しの前に、やっておくべき3つのこと
パワハラしている上司は、自分がパワハラしている自覚がほとんどありません。
なので、自分のメンタルが保てる状態であるなら、時間をかけて以下3つやっておきましょう。
- パワハラされている仲間を探す
- 録音、動画、メールなどの物的証拠を集める
- 仕返しに失敗した時のリスクを回避する
パワハラされている仲間が他にもいるのか
これは、教職員へのパワハラ指導を受けた加害者にアンケートした結果になります。
令和2年 東京都(パワーハラスメントに関するアンケート調査結果について)
54.1%の人はパワハラした自覚がありませんでした。なので中途半端な仕返しは、デメリットの方が大きいと考えるのが普通でしょう。(自分が被害者だったら、本当に腹が立つ!!)
なのでパワハラされている仲間がいたら、声をかけてみましょう。証拠集めに協力してくれたり、相談に乗ってくれるかもしれません。
証拠を集めること
弁護士や、労働基準監督署に相談するときに有利になる証拠は以下の4つです。
- 医師の診断書
- ボイスレコーダーで録音(ペン式ならバレにくい)、スマホで録画
- メール(内容が侮辱的な場合、損害賠償が認められます >>裁判の事例はこちら)
- 被害者が作成したパワハラ日記(いつ、誰から、どのような、周囲の黙認、パワハラを受けたときの気持ち)
これらの証拠を持って、パワハラに立ち向かいましょう!!
仕返しに失敗した時のリスクを回避する
証拠を集めて、会社に密告しても55%は失敗に終わります。なので、失敗した時のリスクに備えることが大事になります。
パワハラを報告するリスク
- パワハラがエスカレートする
- 会社が上司をかばって、腫れ物扱いされる
- 職場にいずらくなる
この時に、いつでも逃げられる準備をしておきましょう。
以下の3点が1つでもあるとパワハラ上司にも怯むことが少なくなり、心理的に楽になります。
- 異動させてもらえそうな部署がある
- 転職活動をしていて、内定が1社以上出ている
- 辞めることになっても副業や貯金で生活できる
まだ転職活動されていない方は、下記の記事を参考にしてくださいね。
転職活動を始めるか悩んでいる方
転職サービスを賢く使いたい方
すぐに求人をチェックしたい方
会社都合退職にしてもらえれば、退職した翌日から失業手当をもらうことができます。
その他にも、知らないと損する制度がたくさんあるので、下記の記事を参考にしてみてください。
それでは、効果的な仕返し方法をお伝えします。
パワハラ上司への効果的な仕返し5選
態度を変えながら、効果がある仕返しを試す
上記のパワハラの現状でも説明したように、パワハラしている加害者の半分以上は自覚がありません。
なので、
パワハラされて態度を変えることはとても勇気のいることですよね。ですが、被害者の態度が変わらなければ、パワハラはなくならないし、エスカレートしていきます。
なのでパワハラを言われた瞬間に、反応を変えてみてください。
と思わせることが大事です。
例えば、
- 逆に質問する
- ニヤニヤする
- 「できません」と否定する
- 大きな声で、リアクションする
- 仕事ができなくなるぐらいに、ひどく落ち込んでみる
とにかく、このままパワハラしたら、相手の方が精神的に疲れる状況を作りましょう。
自分以外に代わりがいない状態で退職する
お客さんや社内の人から気に入れられ、仕事がたくさんある状態をつくっておきます。その状態から転職先を決めて、ハツラツとした態度で退職するのが一番の仕返しになります。
代わりがいない人材ほど、残された上司や会社にとってデメリットが大きいからね。
上司は、部下に任せていた重要な仕事を全て引き受け、さらに管理能力がないと評価が下がるからです。
パワハラの証拠と退職届を叩きつけて、パワハラ上司と縁を断ち切りましょう。
辞める覚悟がある仲間と結束して、内部告発する
上記のように、個人で戦おうとすると、デメリットの方が大きくなってしまいます。なぜなら優秀な人でもない限り、会社は上司をかばったり、反省もしません。
なので、周囲の仲間と過去にパワハラされたことがないか聞いてみましょう。
そして仲間を集めて、告発文に署名してもらうのです。
ここで署名をもらうのは、辞める覚悟がある人だけにしてください。辞める覚悟がないと、ひどいパワハラの現状が、会社に伝わらないからです。
複数人の従業員が一度に辞めてしまうのは、会社にとっても大きなデメリットです。なので上司と内部告発した人たちは、切り離され、どちらかが異動することになるでしょう。
その状況では、パワハラされた現場を目撃してもらため、上司と会う時は密室を避けてください。
目撃された職場の人で、同情してくれる仲間を見つけて、相談してみましょう。
悪質なパワハラの証拠を集めて、メディアに取り上げてもらう
新聞テレビにプレスリリースして、メディアに取り上げてもらうと、パワハラ上司は奈落の底へ落ちていきます。
なぜならパワハラ上司は、会社の信頼を無くし、解雇を余儀なくされるからです。
取り上げてもらうには、視聴者が驚くような体験をしていないと取り扱ってくれません。メディアと条件が合えば取材される可能性があります。
- 辞める覚悟がある
- 悪質なパワハラの証拠がある
- 労働基準監督署や社内窓口に相談したら、二次被害に会った
プレスリリースの書き方は、記者のプロが解説していますので、下記の記事を参考にしてみてください。
たとえメディアに取り上げられなくても、自分から情報を発信することに抵抗がなくなりますよね。その経験を活かして、ブログやTwitterで発信してみましょう。
仕返しにはなりませんが、共感を得たり、他の人がパワハラに立ち向かう勇気を与えることができますよ。
医師の診断書をもらって、弁護士に相談
労働基準監督署では、パワハラに対する助言を受けられたり、会社に指導してくれます。ですが、慰謝料の請求までは取り扱ってくれません。
パワハラ証拠と病院の診断書があるなら、弁護士に相談することをオススメします。
勝訴した事例を紹介しますので、これ以上のパワハラを受けているなら、弁護士に相談してください。
パワハラの加害者は、被害者に対して精神的苦痛を与えていました。
「精神障害者」
「最低だね。人として。」
「生きる価値なんてない」
「嘘つきと言い訳の塊の人間」
こんな言葉を、4ヶ月間にわたって投げつけるように発言したのです。
このパワハラが原因で被害者は「適応障害」「睡眠障害」を患って休職するまで追い込まれたのです。
裁判の結果、
約200万円を損害賠償を請求が認められ勝訴しました。
事例(裁判所 : 令和2年7月1日)
4ヶ月間も言われ続けて、普通な精神状態でいられませんよね。このレベルでパワハラの証拠があるなら、早期に弁護士に相談してください。
注意ポイント
たとえ裁判で勝訴しても、職場にいずらくなることも考えられます。
精神的に余裕があるのなら、転職先を決めておくことをオススメします。
今後パワハラ上司遭遇しないためにできる3つのこと
今のパワハラ上司から仕返しする時間と労力を奪われないためにまた次のパワハラ上司に当たる可能性があります。
そこで、
パワハラが発生する原因を調べてみました。
令和2年 東京都(パワーハラスメントに関するアンケート調査結果について)
上司ガチャに失敗したら、あらかじめ防ぐことができませんが、パワハラ上司がいない職場やパワハラになりそうな人を見極めることはできますよね。
なので、上位から対策していけば、パワハラに遭遇する可能性が低くなります。
上司の個人の資質を見極める(パワハラ上司の5つの特徴を知る)
パワハラになりやすい特徴を知っていれば、精神的にも早めに対策を打つことができます。
パワハラ上司の特徴は、
- 共感能力が低い
- 競争意識が高い
- 完璧主義
- 他力本願
- 視野狭窄
共感能力が低い
相手の立場や、置かれた状況を無視して自分の意見を通す人。
コミュニケーションを取りたい相手には、共感するのに部下に対しては、話も聞かないのです。
競争意識が高い
社内の出世競争、同業他社とのライバル競争など仕事が常に誰かと競争している状況。
敵が多くすぎる上司はストレスがたまって、矛先が一番近くの部下に向いてしまうのです。
完璧主義
会社の評価を気にして、完璧に仕事をしようとする人です。真面目で仕事熱心なのですが、こだわりが強すぎる傾向があります。
- 「今月までに〜しなければいけない」
- 「部下は、こうあるべきだ」
- 「1分過ぎてもダメだ」
聞いただけでも、部下は疲れてしまいます。
他力本願
自分は何もしないで、部下の力を100%引き出したい。なので、部下をコントロールするために手段を選ばない人です。
視野狭窄
部下が自分のやり方で仕事をしないとイライラしたり、どんなやり方でやっているのか気になって、干渉してきます。
それでミスをしてしまったり、仕事が遅いと「ほら、俺のやり方でやらないから失敗したんだぞ」とマウントを取ってきます。
この5つの特徴に2つ以上当てはまっている上司の場合は、パワハラされる可能性があります。
今、隣にいる上司だったら、パワハラ対策して、転職エージェントを利用して活動を始めてください。
下記の記事から、
一緒に転職活動をはじめてみましょう。
転職活動を始めるか悩んでいる方
転職サービスを賢く使いたい方
すぐに求人をチェックしたい方
余裕が無い職場は、パワハラの温床
仕事のストレス要因を研究した結果、30項目ある中でトップ3位が仕事へのプレッシャーでした。
1位. 短期間で重要な意思決定をしなければいけないことが、しばしば求められる(69.1%)
2位. 納期や期間に急がされる仕事である(65.0%)
3位. 予め決められたスケジュールは、変えられない(59.9%)
参照 : 労働ストレス研究(労働者のストレス要因)
短時間で重要な意思決定をする上司は、かなりストレスが溜まっています。
さらに、上からの指示やクライアントに従うだけで、自由がない職場はストレスが爆発して、パワハラに発展する可能性があります。
精神的に辛いと思ったら、ストレスチェックをやってみてください。厚生労働省が無料でストレスチェックできるサイトがありますよ。
職場内のコミュニケーションを円滑にする
上司の資質が悪くなければ、効果的なチームになることが大事です。
これは、Googleの研究結果によって生産性の高い組織を分析した結果5つのことがわかりました。(Google re:Work「効果的なチームとは何かを知る」)
1 . 心理的安全性 : 自分がミスしても、意見を言っても、周りは認めてくれるという安心感
2 . 相互信頼 : 責任転嫁をしない
3 . 構造と明確さ : 目標が達成可能で数字などで表せられる
4 . 仕事の意味 : 家族、経済、社会的信頼など
5 . インパクト : 自分の仕事がどれだけチームに貢献しているのか数値化できる
周りが認めてくれる安心感があって、責任転嫁しない職場は、パワハラが起きにくいですよね。
【まとめ】パワハラ上司への仕返しは、用意周到に。
いかがでしたか。
パワハラ上司は、自分が加害者だと自覚していないことがほとんどです。
そして会社に報告しても、対応してくれない確率の方が高いのです。なので、こちらがアクションを起こさないと状況は変わりません。
そこで、パワハラ上司に仕返しする効果的な方法5つです。
- パワハラされた瞬間に、いつもと違う反応をする
- 自分の代わりがいない状態で転職する
- 悪質なパワハラの証拠を集めて、メディアに取り上げてもらう
- パワハラされている仲間を集めて結束し、内部告発する
- 医師の診断書をもらって、弁護士に相談する
これらを実践していただき、皆さんの働く環境が少しでも改善されることをお祈りしています。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。